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CEOブログ -SPECIAL INTERVIEW 01 後編 – 100年、200年後を想像した者だけが普遍的なモノをつくることができる

対談企画・第一弾、葉加瀬太郎さんの後編です。100年、200年後も残る普遍的なモノづくりやお手本となる企業のこと、葉加瀬さんの人生哲学や家訓についてまで話が広がりました。2人が意気投合した価値観とはどんなものか、ご覧ください。

後世に残る、普遍的なモノづくりに必要なこと

伊早坂:対談の前編で、時代を超えて長く残るモノには無駄がないという話もありました。後世に残るモノといえば音楽や芸術が顕著だと思うのですが、100年、200年残るモノに共通点はありますか?

葉加瀬:後世を見据えて「100年、200年先も誰かに聞いてもらえる、見てもらえる」という信念だと思います。ベートーヴェンは僕たちが絶対に聞いていると信じて曲を作っていたはず。
絵画だってそう。俗説とも言われていますが、ゴッホは生きていた時代にたった1枚しか絵が売れなかった。一方でピカソは逆に売れまくっていたんです。でも2人に共通するのはおそらく未来を見据えていたことだと思うんです。心意気が違うんですよね。

伊早坂:音楽の場合、楽譜を見るとそれが伝わってくるものですか?

葉加瀬:もちろん。たとえば18世紀だと毎週のように晩餐会用の曲を、いわゆる職人的にサッサかサッサと仕上げないといけない。納期厳守ですよね。それが19世紀になると、たとえば一年に一度のコンサートの演目のために交響曲を書き下ろしたりする。時間をかけたから後世に残るというわけではないけど、見ると伝わってくるものはあります。
当時も貴族らのクライアントから依頼を受けて作曲していたなか、「これくらいならOKか」ではなく、先を見た志とか夢を持った人間っていうのはいたはずです。

ブルネロ・クチネリに見る、“応援したくなる企業”の取り組みとは?

伊早坂:クラシック音楽というとまるで古い音楽という意味で捉えがちですが、私の解釈だと「決して古いものではなく、普遍的で上質なモノ」です。音楽に限らず、ファッションにしろ、私たちのようなモノづくりにせよ、普遍的な上質さがあるからこそ受け継がれていくものだと思っているんです。
葉加瀬さんもファッションに造詣が深いですが、ブルネロ・クチネリ(注1)ってご存じですよね。

葉加瀬:大ファンですよ! クチネリの例は非常にわかりやすいですね。必要なのは美学なんです。

伊早坂:川島製作所を「上質を追求する企業」にしたいと思ったときに、まずは私自身が上質なモノに触れることで自分を引き上げていくことが必要だなと思って、クチネリを知って身に着けるようになりました。
クチネリの素晴らしいのはモノだけでなく、その背景にある経営哲学や考え方にあることを知ると、ここに「上質なモノづくり」「上質な会社」のお手本があると痛感しています。私が求める理想郷として、クチネリの取り組みがあるんです。

葉加瀬:なるほど! とてもわかりますよ! いい服をつくるだけでなく、ソロメオ(注2)という村をつくるということ。みなで幸せになろうということよね。

伊早坂:そうなんです。普遍的な上質を提供し続けていくというのはこういうことだなと。

葉加瀬:そうなんだよねー。おそらくこれからのいろんな企業のお手本ですよ。決して安くない価格だけども、この会社なら応援したくなる、寄付したくなるっていうことなんですよね。

体験すること、本物の波動を感じる大切さ

葉加瀬:結局は好きな人と、好きな空間と時間をどれだけ一緒に作れて、チームプレイで活動するかに尽きるんですよね。1日24時間のうちかなりの時間を誰かと過ごすわけだから、その誰かとどんな時間を過ごすか……。じつはそこしか考えちゃいけないくらい大切なことなんだよね。こんなこと言っていいかあれだけど、会社に行くのが嫌だと思っている人なら辞めた方がいい。

伊早坂:私もいつも従業員に問いかけているのが「ワクワクしてる? それって楽しい?」
ってことなんです。ワクワクしないといいパフォーマンスは生まれない。もしいまそうでな
いなら楽しめるような工夫を凝らしてみてほしいし、トップの私がそう思っているんだか
ら人間関係や会社の空間を良くするのに悩んでいるなら相談に来てもらいたいくらいです。

葉加瀬: 僕なんか小学生のとき、わざと好きな女の子をつくって、彼女に会いに行くんだっていうモチベーションで学校に行っていましたからね。社内でもいいし、お取引先でもいいし、この人に会いたいという人を無理やりにもつくってしまうっていうのも手ですよ。

伊早坂: 動機は不純でいいんですよね。私も入社して2,3年目に彼女ができて、彼女に早く会うためにいかに残業しないで生産性を高められるか知恵を絞りましたから。
当社の従業員にも仕事のためだけに多くの時間を使うのではなくて、自分のために時間を使いなさいと、いつも言っています。自分の時間を使って勉強でもいいし、おいしいものを食べるのでもなんでもいいので、いろいろなことを体験しなさいと伝えています。

葉加瀬:コロナの影響で心配しているんだけど、やっぱり人と会って、声を交換、エネルギーを感じるって大切ですよ。今日もこうして伊早坂さんと対談して波動やエネルギーを感じるじゃないですか。そうした体験ですよね。

伊早坂:そうです。肌身で波動を感じるという体験ですね。

葉加瀬:人だけでなく、音楽でも絵画でもそう。本物を見るとやはり波動というエネルギーが違う。脳への焼き付き方が違うんです。だから僕はゴッホでもマチスでも一枚の絵だけを見に美術館に足を運びますから。

伊早坂:本当にそうですね。私も二科展へ行ったときに感じたのが、描いている方のパワーに圧倒されるんですよ。こちらの気がしっかりしていないと押されるというか。そういうパワーを体験するのが大切ですよね。

葉加瀬:そう。音楽もそうで、一度インプットすると、人間って素晴らしい生き物でいつでも脳内でイメージを引き出せるようになるんですよね。たとえそれがレプリカのポストカードでもそのときの感動がよみがえる。体験することでそうした感動をいかにたくさん自分の引き出しにしまっておけるかです。

固定観念を超えてゆけ!

葉加瀬: 体験するための時間はいくらでも捻出できて、これ僕の哲学なんですけど、休むとき、遊ぶときは全力で休む、遊ぶ。どれだけ疲れても一日中遊んだり、寝る日なんて20時間眠ればいいんです。
よく「昨日眠れなかったよ」っていう人がいるじゃないですか。そんなときは無理に寝ないで起きて何か好きなことや楽しいことをやればいいの。一瞬一瞬を楽しまないと。それで、よく子どもにも「規則正しくは実は規則正しくない」って言い聞かせています。

伊早坂:固定観念にとらわれるな、ということですね。

葉加瀬:そう! あともうひとつ、うちの家訓なんですけど、子どもたちに「返事の“はい”は2回!」と言っています。僕発信で一度もブレていないメッセージですね。

伊早坂:というのは?

葉加瀬:「はい、はーい!」ってまるでバカみたいだけど、世の中の常識を「はい!」と鵜呑みにしているだけだと生きていけないよという意味があるんですよ。世の中を甘くみてもいいよと。それくらいのスタンスの方が人生も楽しいですし。

伊早坂:これもまた固定観念にとらわれない考え方や行動ですね。

葉加瀬:もちろん世の中には良識やモラルがあるんだけど、常識のようなフェンスは一度乗り越えてみることです。怒られたり、反省したり、これも体験して理解すればいいんです。

伊早坂:私たちも包装機メーカーから、包装メーカーへと枠を超えていくのを目標にしているので、とても刺激を受けました。また、これから続くツアーも楽しみにしています。本日はありがとうございました。

葉加瀬:こちらこそありがとうございました!。

注1/注2
ブルネロ・クチネリ/ソロメオ村
1953年カステル・リゴーネ(ペルージャ市)の農家に生まれる。
1978年カシミヤを染める小さな会社を設立し、当初から「経済的倫理的な側面における人間の尊厳」を守る労働という理想を掲げる。
1982年以来、ソロメオ村は彼の夢を実現する場所となり、人文主義者として、また企業家として、数多くの成功を生みだす工房となる。3年後、村の崩れかけた城を買取り、そこに彼の会社を置く。
2000年、会社の成長に伴う生産施設増設のためにソロメオ村近郊の工場を買い取り、改修。情熱を持ってソロメオ村の修復に取り組み、文化と美と出会い捧げる「学芸の広場」を建設する。2012年ミラノ証券取引所に上場。同年ソロメオ村に「職人工芸学校」創設。
その「人間主義的資本主義」によりイタリア国内外から数々の勲章や権威ある賞を受けている。イタリア共和国労働騎士勲章、ペルージャ大学哲学・人間関係倫理学名誉学位、キール世界経済研究所経済賞、イタリア共和国大十字騎士勲章など。
訳書に『人間主義的経営』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

 

撮影/山田崇博
文/クロスメディア・マーケティング

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