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CEOブログ 【書籍発刊後記】隈研吾氏・長谷川裕也氏に見た「人間力」 ~「与える幸せ」を贈り合える川島製作所になるために

隈氏、長谷川氏との対話から得た気づき

CEOブログの第一回目で予告していた書籍が、2021年5月14日に発刊となりました。
タイトルは『そこまでやるか、をつぎつぎと。』
川島製作所がこれまで100年以上にわたって事業を継続してきた根底にあるDNA、さらにこれからの100年を目指すうえで常に意識しておきたい言葉であり、当社のブランドコンセプトを書籍のタイトルとしました。
おかげさまでたくさんのコメントや反響もいただき、うれしく思っております。
本書をきっかけに、さらに多くの社内外の方々に、私たちの取り組みをお届けできたら幸いです。
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書籍をつくるにあたり、同じモノづくりでも異分野・異業種の方と対談を行い、これからの川島製作所について、たくさんのヒントを得ました。
お一方は、世界的建築家である隈研吾氏。
もうお一方は、世界一の靴磨き職人である長谷川裕也氏です。
本書で詳しくご紹介していますが、それぞれの印象的なフレーズと、私の所感をお伝えします。

 

隈さんとの対話での気づきのひとつが、やはり現場が大切ということでした。
新国立競技場はもとより、国内外のプロジェクトに奔走されている隈さんにして「現場が好きっていいですね。僕自身、現場が好きで、よく工事現場に行きます。現場で工事する方とのコミュニケーションが大事です」という、お話が聞けました。まさに我が意を得たりという瞬間でした。
また、「僕らは作品でなく、目の前のお客様に喜んでもらう商品をつくる」という点も共感でき、同じモノづくりをする人間であれば、ジャンルを問わずぶつかる壁について「誰のためにモノをつくるのか」という答えを確認できたように思います。

長谷川さんとの対話も大変刺激的なものでした。
包装業界で長年仕事をしてきた私に、「包むって何?」と根本的なことを投げかけていただき、硬くなりがちな頭の中を柔らかくしてもらった気分です。このようなことは同業者の間だけの会話ではなかなか出てこないものです。
また、靴磨きのお仕事の土台になっている哲学から、常に自分に負荷をかけて新しいことにチャレンジしていく姿勢、技術だけでなく気持ちを届けることに重きを置くことなど、多くの学びを得ました。
人との出会いや対話には、やはり発見があります。これからも積極的に人と出会い、現場で会話をしながら、川島製作所の未来をつくっていきます。

一流に共通する人間力

さて、今回、ブログのテーマを「人間力」に据えました。
川島製作所のこれからは、従業員一人ひとりの人間力があってこそ、生み出せると思ったからです。しかし、人間力という言葉ほど、わかっているようで曖昧なものはありません。 
答えはひとつではないでしょう。今回対談をご一緒したお二方の共通点からいくつか要素を引き出すならば、ひとつは「オープンな心・姿勢」が挙げられる気がします。
お二人とも大変オープンな方で、川島製作所のことや私の持論に耳を傾けてくださったうえで、ご自身の経験に裏打ちされた言葉でお返事をくださいました。まずは受け入れることの大切さを感じたところです。
また、主体が自分ではなく、誰かのためにという視点になっていることも共通点でした。仕事のゴールは決して自己満足ではなく、仕事や人生を通じて人の役に立つこと、誰かに何かを与える幸せに価値を置くことです。私自身も常日頃から意識していたことなので、「やはり、一流の方たちは似た感覚をお持ちだ」と再確認できた次第です

「人の役に立つこと」「与える幸せ」に気づいたきっかけ

書籍にも書きましたが、私は、幸せには「もらう幸せ」と「できる幸せ」、「与える幸せ」の3つがあり、「与える幸せ」が最も大切だと考えています。
とはいっても、私自身、その感覚を身に着けたのは社会人になって何年も経った頃でした。最初からそう思えていたわけではありません。
多くの若者がそうであるように、私もとんがっていて生意気で、自分よがりなところがあったので、技術者として自分の意のままに世の中に存在しない包装機を作ってみせると力んでいました。
それが、あるメーカーさんとの仕事と、そこで出会った人たちを通じて変わりました。
周りの方々の期待に応えるべく寝食を忘れて打ち込み、最後、みなさんに喜んでいただいたとき、からだが震えるほどの感動を覚えました。そこから人生観ががらりと変わったのです。
仕事とはお客様の要望や期待に応えること、喜んでいただくことを第一義とする考え方です。まさに、もらう幸せでもなく、できる幸せでもない、「与える幸せ」です。
与えるというと少々不遜な印象かもしれませんが、言い換えるなら、誰かの役に立つということ。このことをすべてにおいて優先して行動すると、仕事も人生も好循環が生まれ、成功へとつながっていきます。
当社の従業員にもこのような体験ができるようなチャンスを数多くつくっていくのが、経営者の仕事と思っています。

今日からできる、ほんの些細な「与える幸せ」行動

何かを与えるといっても、何もおおげさに感じなくても大丈夫です。
日々の身近なほんの些細なことを変えるだけでいいんです。たとえば、お取引先に明るく挨拶する、同僚に親切に接するなんてことです。どちらも受けた側は気持ちがいいはずです。相手を緊張させたり、不快にさせないよう“ゴキゲン”でいるだけでも十分に「与える幸せ」であろうと思います。
先に隈さんと長谷川さんの姿勢は、とてもオープンなものだったとお伝えしました。相手の話や行動をまず受け入れて、相手の理解に努めることもまた先方を心地良くするので、与える幸せの一部だと思います。
この原稿を読み終わったらまず、ゴキゲンな表情を作ってみてください。そしてまずは相手の話に耳を傾けてみてください。それくらいからのスタートで問題なしです。

誰かにしてもらったことを振り返る、真似すること

私は、従業員が昇進したタイミングでご自宅に大きな蘭の花を届けるようにしています。
会社の取り決めというわけではなく、過去に私自身がある人からしてもらったうれしい出来事だったので、真似て、後輩らに行っている習慣です。
当時、突然、家に大きな花束が届くと家族みなが驚きました。受けた私も驚きや気恥ずかしさもあったのですが誇らしい気持ちになったものです。このときの私のような気持ちを従業員のみなに味わってもらいたいと、自発的に行っています。
人は誰かにされて嬉しかったことをつい忘れたり、相手からの好意を当たり前のように考えがちです。そのようなことがないように、私自身のためにも花を贈る習慣を続けています。
また、みなさんにも心当たりがあると思うのですが、人に何かプレゼントをしたり、良かれと思ったことをするのは実はとても難しいことで、つい「~~をしてあげた」なんていう気持ちになりがちです。この気持ちはとても野暮でかっこ悪いことなので、雑念も見返りも期待せず、さらっとできるようになりたいものです。それができる人が本当にかっこいい人間ですし、私もそうありたいと常々思っています。
 
最後に、みなさんにひとつお伝えしたいのは、今日、自分自身が何をやったかを振り返るのと同時に、今日一日誰かに何をしてもらったか、与えてもらったかを振り返ってみてください。
自分が嬉しかったことは、相手も嬉しいはず。そのうれしかったことを自分の引き出しに入れて、明日は誰かに対してあなたが行ってみる。そんな実験をしてもらいたいです。
その些細な積み重ねや連鎖があると、あなただけでなく、周りの人も幸せになれるでしょうし、そうした人たちが集まるチームや会社はとても心地いいはずです。川島製作所が目指したい集団像のひとつでもあります。
みんなの手によって、川島製作所を「与える幸せ」を“さらり”ととできるかっこいい会社に育てていきましょう。

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